会社勤めを終えた定年後、毎日ダラダラ、ゴロゴロしている人もいる人もいるだろう。これまで多くの人を看取ってきた医師・小林弘幸氏は、「私は60歳を超えたころから、『一日一日が勝負だ』だと思うようになった」と言う。限りある人生をワクワクして生きるにはどんなことを心がければいいのか。朝日新書『老後をやめる 自律神経を整えて生涯現役』から一部を抜粋、再編集して解説する。
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人生は「プラマイゼロ」……死んで残るのは骨と灰だけ
医師の仕事は、つねに死と隣り合わせです。私はこれまで何百人という人の死に立ち会ってきましたが、つくづく思うのは死は平等だということです。
どんな人でもいつかは必ず死がおとずれます。死から逃れることはできません。
そして、死んで残るのは骨と灰だけです。どれだけ成功しようと、どれだけお金や名誉を得ようと変わりはありません。
だから、人生は「プラマイゼロ」だと思っています。人は生まれて、最後はゼロで死んでいく。限りある人生をワクワクして生きるには、まずはこのシビアな事実に向き合う必要があると思います。
やる気が起こらない、動きたくないといって、ダラダラ、ゴロゴロしている人は、もしかしてこの事実を忘れているのではないでしょうか。死なんて自分には訪れないと思っているのではないでしょうか。