しかし、多くの方は死を恐れているのも現実です。
「死ぬのは苦しくないですか?」
「怖くないですか?」
こうした質問を、私はこれまで何度となく受けてきました。不安になるのももっともだと思います。正解はだれにもわからないと思います。
私たち日本人が死を恐れるのは、死をゴールだと思っているからではないでしょうか。しかし、世界に目を向けてみれば、死をゴールだと思っている人のほうが珍しいのです。
多くの宗教では、死んだら天国に行けるとか、ふたたび生まれ変われるとか、死がゴールではないこと、死は通過点にすぎないことを説いています。それを信じている方は死を恐れることなく、息を引き取る瞬間までワクワクして生きることができるのだと思います。
ところが、日本人の多くは特定の信仰を持っていません。だから、死が通過点だと心の底から納得するのは難しい。でも、そういう見方が存在することは知っておいて損はないと思うのです。
死を通過点だと考える。
ゴールではなく、スタートだと考える。
すると、死というスタートに向かって生き切ることができる。
私は、死後の世界を信じていません。生まれ変わりも信じていません。しかし、死をゴールと考えない生き方には賛同します。
私はこの命が尽きる1秒前まで、ワクワクして生きていたいと思っています。そして、ワクワクしながら前のめりで死んでいきたい。
それが、幸せな人生の終わり方だと思うのです。