私は60歳を超えたころから、「一日一日が勝負だ」と思うようになりました。

 自分に残された時間はそれほど多くない。だから、今日という日を全力で生きる。いつ死んでも後悔しないように、やりたいことをやり尽くす。

 そう心に決めたら、ダラダラ、ゴロゴロしている暇なんてありません。今この瞬間も、死へ向かって確実に進んでいるのですから。

「メメント・モリ」という言葉があります。「自分がいつか必ず死ぬことを忘れるな」という意味のラテン語です。

 この言葉をいつも頭のどこかに置いて、死を迎えるその日まで、めいっぱい人生を謳歌してください。

死ぬのもそんなに悪くない

 先日、義父が亡くなったのですが、葬儀でお坊さんがこんなことを言っていました。

「人生は毎日が修行です。修行から解放されるのだから、死ぬのもそんなに悪くありません」

 なるほど、いいことを言うなと思いました。

 私はこれまでたくさんの方を看取ってきましたが、その経験から間違いなく言えることが一つあります。

 いくつであろうと、どんな病気であろうと、亡くなるときはみんな「いい顔」をしているということです。

 究極のノーストレス状態とでもいうのでしょうか。まさに人生という修行から解き放たれたかのような、すがすがしい表情をしているのです。

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死は通過点にすぎないこと