春季キャンプから“注目度”が抜群の中日・中田翔
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 今季から中日でプレーする中田翔が早くも新天地で存在感を発揮している。今月1日から始まった春季キャンプでは初日にサインを求めるファンが殺到するなど、“中田フィーバー”が巻き起こった。

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「キャンプインに合わせて金髪で登場したのには驚いた。『逆風を受けても結果を出してチームを引っ張る』という中田自身の決意表明と自分は受け取った」(中日0B)

 立浪和義監督の就任時に「長髪、茶髪、ひげの禁止」を指示したのは知っていたはず。時間は経過して実質無効化しているが、マスコミに大きく取り上げられた。金髪姿については賛否両論あるが、チーム関係者はむしろ好意的に受け取っているようだ。

 中田はオフに巨人との契約が残っていたものの、出場機会を求めてオプトアウト権(契約の途中で見直しや破棄ができる権利)を行使。自由契約となって年俸3億円プラス出来高の2年契約で中日入りを果たした。移籍の経緯から見ても、その“覚悟”はかなり大きいはずだ。グラウンド上ではもちろん、グラウンドの外でも「何かをやってやろう」という気持ちがヒシヒシと伝わってくる。

 中日は現在、長期の低迷期に入っているが、チームが勝てない理由が得点力不足なのは明白。昨季もチームの得点(390)、安打数(1123)、本塁打(71)などがリーグ最下位だった。中田獲得の大きな理由の一つはその得点力不足解消のためだろう。昨季34歳となった中田は怪我での離脱もあったが、92試合の出場で15本塁打をマーク。日本ハム時代には3度打点王に輝いており、その打力は今なお健在だ。

「期待されるのは勝負強さ。本塁打の出にくいバンテリンドームは今オフもホームランテラス導入が見送られた。1発攻勢は期待できないので、チャンスを確実にものにすることが必要。中田の加入で得点力が上がれば勝ち星は確実に増える」(在京球団編成担当者)

 また営業面でも大きな期待をされている。大阪桐蔭時代には高校通算の本塁打記録(当時)を更新するなど注目を集め、プロ入り後も順調に成長。侍ジャパンの4番を務めるなど知名度は全国区だ。中日への入団が決まった1月には自身のYouTubeチャンネルを開設し、発信力をさらに高めている。

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チームの“暗いイメージ”も払拭?