「賽(さい)は投げられた」とか「鉄は熱いうちに打て」とか(笑)。すると、「うーん、やるしかないよね」と気持ちが戻ってくる。そうなのです。自分でも本当はやめるつもりはないのです。こんなふうに、背中を押してもらいたいときは母に電話をしていました。
つらい勉強の日々でモチベーションを保つためにしたのは、「合格後の自分を想像する」ことでした。みんなに笑って報告をする。今まで頑張った過程は必ず糧になるはずだし、どんなに悪い方向に考えても「試験に合格して損をすることはない!」のです。……と頭ではわかっていても、実は「意地」の部分も大いにありました(笑)。
尊敬するMEGUMIさんに、試験を受けることを打ち明けた
試験を受けることは、落ちたときのことを考えて仕事関係の人には言わないでいたのです。「田中道子、落ちたらしいよ」なんて言われちゃうのもイヤですし(笑)。
はじめて話したのは、ドラマ「極主夫道」でご一緒していたMEGUMIさんです。同じ女性として尊敬するMEGUMIさん。いろいろ話を聞いてくれて、アロマやお香をくださり「これでリラックスしてね!」と応援してくれました。こうなると、「MEGUMIさんにかっこ悪いところは見せられないな」と気合が入るんですね。これも、モチベーションになりました。まわりの人に公言することで、自分を引き返せなくするのです。
日常のストレスと勉強のストレスの対処法
大好きなゲームやマンガを断った生活が約1年半続きましたが、「日常のストレス」を発散させるすべは、結局試験に受かることでしか発散されません。つまり、きついけど勉強をすることだったのだろうな、と今思います。
勉強そのものに対するストレスというものもあります。意味がわからない計算問題や、初見の用語など、泣きたくなるような場面に何度も遭遇します。そのたびに辞書を引いて「もう、何度見ればいいんだ!」と投げ出したくなったことは数えきれませんでした。