俳優・小芝風花主演ドラマ「大奥」(フジテレビ・毎週木曜午後10時)は、フジテレビの連ドラとしては約20年ぶりの復活となる人気シリーズ。俳優・田中道子が演じる御年寄の高岳(たかおか)は大奥総取締役である松島の局(栗山千明)のライバルであり、次の実力者。劇中では、眉なしかつ鋭い目線で小芝風花演じる主人公ににらみを利かせており、「眉なしでも美人」と話題になった。そんな田中道子は一級建築士の資格を持っているという。(「AERA dot.」2023年2月18日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)
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テレビや映画出演のほか、舞台「赤羽焼肉劇場」で初の主演も務め、最近はバラエティー番組でも活躍する女優、田中道子さん(33)。昨年末に見事、1級建築士試験に合格したことが大きな話題となりました。合格率10%弱といわれる難関試験。仕事で忙しい日々、どのように時間をやりくりして勉強を続けたのでしょう。田中さんに聞きました。
大好きなマンガ、ゲームを断ち、人づきあいも減らしました
1級建築士になることは、大学時代からの夢でした。でも、試験を受けるには2年以上の実務経験が必要なので、あきらめていたのです。しかし、2020年に制度が緩和され、実務経験がなくても受験はできるようになりました。そんなとき、コロナ禍で家にこもっている間に「なにか自分も社会に貢献できることはないか」と考えたのです。そして「建築がある!」と思い立ちました。やるなら今かもしれない。学生時代の夢を、あらためてまた追いかけてみよう!と一念発起したのが2021年の7月、そして10月から専門学校に通い始めたのです。
そこからは、隙あらば勉強の日々。私の確固たるポリシーとして、「本業をおろそかにしない」があります。おそらく、社会人でなにかの資格にトライする方は、皆さんこう考えるのではないでしょうか。勉強のために睡眠不足になって、体調を崩して本業に影響を与えたのでは本末転倒。「いや、今以上に本業を頑張らなくては」というくらいに思っていました。そうでないと、もし合格しても、誰も喜んでくれませんよね。
そこで、睡眠時間を確保するために、愛してやまないマンガとゲームを真っ先に断ちました。これはつらかったですね。あと、人づきあいも犠牲にしました。おかげで友達が減りました(笑)。私は実務経験がないぶん、ほかの受験者より低い位置からのスタートだと自覚していましたから、こうすることで覚悟を決めたのです。
ごはんを作る時間があるなら、勉強にあてる
学校の宿題や提出物の量が、とにかく容赦ありませんでした。仕事も忙しくなり、とてもありがたかったのですが、これでは勉強の時間がとれなくなってしまう。そこで、食事は日高屋さん、コンビニ、デリバリーの出前館に本当にお世話になりました。出前館では、もうすべて食べつくしたのではないかと思うくらい。ごはんを作って片づける時間があるなら、勉強したかったのです。