脚本家にとっても「苦い経験」として大きな出来事だったことが文面から伝わってくる。
一方、芦原さんは1月26日に自身のX(旧ツイッター)で、
「色々悩んだのですが、今回のドラマ化で、私が9話・10話の脚本を書かざるを得ないと判断するに至った経緯や事情を、小学館とご相談した上で、お伝えする事になりました」
と前置きした上で、今回ドラマ化する際の条件について、
▽必ず漫画に忠実に。忠実でない場合は加筆修正する
▽原作が未完のため、今後に影響を及ぼさないようドラマオリジナルとなる終盤は、原作者があらすじからセリフまで用意する
▽これについては、原則変更なし。場合によっては芦原さんが脚本を執筆する
といったことを条件に出したという。また、これらの条件が脚本家や監督、制作スタッフらに失礼なことであることも理解していたため、
「この条件で『本当に良いか』ということを小学館を通じて日本テレビさんに何度も確認させていただいた後でスタートした」
と経緯を書いている。
キャラクターのアイデンティティーの変更は絶対に許せない
前出の編集者がこう語る。
「漫画がテレビや映画などで実写化される際に、セリフや原作にないシーンが追加されることがあります。それを、原作とは全く異なる作品、として割り切ったり、まあまあ許せたりする漫画家がいる一方で、原作の再現にこだわる方もいます。キャラクターのアイデンティティーが変わるなどは絶対に許せないでしょう」
ところが、今回の芦原さんのXでは、ドラマ化が決まって以降、
「毎回、漫画を大きく改変したプロットや脚本が提出されていました」「個性の強い各キャラクターが原作からかけ離れた別人のように変更される」
などがあったとし、何度も脚本の加筆修正を繰り返したと書いている。
9~10話はもめた末、芦原さん自身が脚本を書くことで解決したという。
原作と映像化された作品に違いが出てくるのはなぜなのか。
大手テレビ局のドラマ監督が説明する。