数字に翻弄されないためには?
――今の小野さん自身は、「成長」をどうとらえているのですか。
小野 人として成長を求めることをやめたのかというと、実はまったくそうではないと思っています。
財産とか立場を膨らませるという外向きの成長は求めていませんが、人間としてどういう生き方をしていくかという、「内なる成長」は常に求めています。
――数字を追い続ける人たちに伝えたいことはありますか。
小野 自分ごときが、えらそうに物を申すことはできません。
ただ、数字偏重の世の中で、なにか違和感や苦しみを感じている人がおられたら、一つのヒントとして、数字以外に、何か自分が大切にできる価値観を持てるようになると良いのではないかと思います。
数字だけを頼っているときは、自分の人生をコントロールできているようで、実は数字に自分の人生をコントロールされてしまっている状態です。だからこそ、自分の内なる価値観や信念を磨いていくことで、数字に翻弄されにくくなるかもしれません。
前世で数字を追い求めていた自分自身が、その後に得た「気づき」として、お話しさせていただきました。
(AERA dot.編集部・國府田英之)