東北地方在住で著書に『政治とカネ、何が悪い!』のあるジャーナリストの井川夕慈さんも、
「日本全体が縮小していく中で、地方では特に、政治家に頼る“うまみ”が薄れていると感じている。票を取りまとめる力のある大企業も団体もなく、政治家がグリップを利かせることが地方の方が難しくなっているのではないか」
と話し、この観点に大いに共感する。冒頭の都内の企業で自民党員になることを強制された件については、
「周囲で見聞きしたことはありません」(井川さん)
お金の「見える化」を
自民党・安倍派の裏金疑惑に端を発し「政治とカネ」のあり方や企業・団体と政党との距離感にまで関心が高まっている時である。地方の変化を国政に波及させるためにはどうすればいいのだろうか。
前出の東北大の河村准教授は、こう提言する。
「問題点が多く語られているが、全てが政治理念の話になってしまっている。まずは、シンプルにお金の流れを『見える化』することです。デジタル社会なのだから、AIも存分に活用し、マスコミや一般の人が監視しやすいシステムを構築するべき時でしょう。現状は自民党だけでなく、野党も含めて多くの政治家が自分のSNSを一生懸命使っているだけ。それでは、デジタル化の抵抗勢力でしかない」
いま、変わるべき時だろう。(編集部・古田真梨子)
※AERA 2024年1月29日号