また、「日本赤十字社内定」から思い出されるのは、愛子さまが成年の記者会見で語った言葉だ。22年3月、皇居・御所で成年の記者会見に臨まれた愛子さまは、国内外の出来事で関心のあることについてこう話している。
災害ボランティアに関心
「近年自然災害が増え、またその規模も徐々に大きくなっていることを心配しています。そのような中でボランティアとして被災地で活躍されている方々の様子をテレビなどの報道で目にしまして、自分の住んでいる街であるとかないとかに関係なく、人の役に立とうと懸命に活動されている姿に非常に感銘を受けました。
私の親しい友人にも東日本大震災で被災した福島県の復興支援にボランティアとして携わっている友人がおりまして、私自身、災害ボランティアにも関心を持っております」
愛子さまが災害ボランティアのほか、関心があることにあげたのは盲導犬や聴導犬だ。
「もう一つ、盲導犬や聴導犬といった働く動物たちにも学校主催のイベントや動物についてのフォーラムの折などに触れる機会がございまして、動物好きの私といたしましては、心引かれるものがございます」
誰もが考えていた大学院や留学の進路ではなく、このころから自分自身の関心事を「日本赤十字社」という進路に結び付けていたようにも思える。つげ氏は言う。
「成年の記者会見の全文を読み返してみると、災害ボランティアに関わっていきたいと、しっかりとお話しされていました。
この言葉を当時は、成年になり皇室の一員としての理想を述べていらっしゃるのかと思っていました。しかし、卒業後の進路を日本赤十字社に選んだいま振り返ると、愛子さまはただ理想を語っていたのではなく、自ら真剣に考えていて、『自分が社会で役立つにはどうしたらいいのだろうか』と思い描いていらしたのだと思います」