社会に役立つ人になりたい愛子さまを、ご両親である天皇陛下も雅子さまも「後押ししたのではないか」とつげ氏は推測する。
「一般のご家庭と同じように、娘の進路に関しては大学院でも留学でも、後押しして応援するお気持ちだったと拝察します。
両陛下はおふたりとも留学経験がありますから、留学の選択肢もお話ししたかもしれませんが、愛子さまのご本人の意志を尊重して、留学でも大学院進学でもなく、世の中のためになりたいという選択を後押しされたのではと思います」
宮内庁を通じて、愛子さまは日本赤十字社に内定したことに次のような感想を寄せている。
≪本年4月より日本赤十字社の嘱託職員として勤務することの内定をいただき、ありがたく思っております。日頃から関心を寄せている日赤の仕事に携われることをうれしく思うと同時に、身の引き締まる思いがいたします。これからも様々な学びを続け、一社会人としての自覚をもって仕事に励むことで、微力ではございますが、少しでも人々や社会のお役に立つことができればと考えております。≫
愛子さまはしっかりと「人々や社会のお役に立つことができれば」と言葉にしている。
社会の役に立ちたいという思いを、つげ氏は歌会始に出された愛子さまのお歌にも感じたと話す。
難き時代をよい方向へ
「19日の歌会始の儀に愛子さまは【幾年の 難き時代を乗り越えて 和歌のことばは 我に響きぬ】というお歌を出されました。
“難き時代”とは、和歌の言葉としては乱世などを意味して、戦乱の時代を指すのだと思いますが、現代においては、新型コロナウイルスの感染拡大や、最近では能登半島地震など、国民が困難に直面している「難き時代」を指すのだと思います。
このお歌を拝見したときに、“難き時代”を少しでもよい方向に動かしていくことができればという、愛子さまの思いの強さをすごく感じました。
内定に際しての愛子さまの言葉にも通じるものがあり、社会に役に立つにはどうしたらいいか、これまでも、そしてこれからも、よく考えていらっしゃるのだと思いました」
愛子さまは、今春から新社会人として世に出られ、公務デビューなども果たされていくだろう。人々や社会の役に立ちたいという、愛子さまの意志で決められただろう進路を心から応援したい。それと同時に活躍される愛子さまの姿を見る機会が増えることが、楽しみでならないのだ。(AERA dot.編集部・太田裕子)