東京国際大のエティーリ

 第100回記念大会となった2024年の箱根駅伝は、青山学院大が2年連続の三冠を狙った駒澤大を破り、2年ぶり7度目の総合優勝を飾った。次回大会も“青学vs駒澤”の2強対決が予想される中、他大学も上位進出へ意欲満々。そして今年の箱根不出場の大学の中にも、来春の第101回の大会で「躍進」できるチームがあるはずだ。

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 昨年10月の箱根予選会で“まさかの落選”となったのが、東京国際大だ。記念大会で出場枠が例年の「10」から「13」に増えたにも関わらず、10人合計タイムで13位の山梨学院大に3秒届かずの14位。10000m日本学生記録(27分06秒88)保持者の“新怪物”リチャード・エティーリ(1年)の転倒、失速が響いた形となった。だが、その後の全日本駅伝では、エティーリが出走回避も、箱根4位の東洋大や同7位の早稲田大を上回る8位でフィニッシュ。1区で木村海斗(3年)がトップと8秒差の区間7位、3区の佐藤榛紀(3年)は区間5位の走りで中央大の吉居大和を上回る走りを見せた。チーム力がシード権内にあるのは間違いなし。新チームにも期待大だ。“怪物”イェゴン・ヴィンセントや丹所健を擁した頃の最高順位5位よりも上も目指せるはずだ。

 昨年の箱根予選会15位だったのが、麗澤大だ。これまで箱根本戦出場はないが、過去2度の次点(11位)と“あと一歩”まで近づき、第99回大会も14位と射程圏内の成績だった。現チームには、1年時に関東学生連合の一員として箱根出走経験を持つ鈴木康也(3年)、工藤大和(3年)がおり、同大学初の留学生であるデイビッド ・シュンゲヤ・ネイヤイ(2年)は予選会で全体7位と力走した。その予選会出走12人中9人が3年生以下であり、主軸の“3本柱”もチームに残る。2017年からチームを率いる山川達也監督の下、次回こそ悲願の箱根切符を勝ち取り、本戦でも爪痕を残したい。

 同じく箱根初出場を狙う日本薬科大にも注目したい。2013年4月に陸上部が創部し、2018年に元関東学院大監督の中田盛之氏が新監督に就任した。その中で、予選会では25位、25位、23位と本戦出場まで大きな力量差を感じていたが、第99回大会では予選会16位となり、第100回大会は19位だった中で、留学生のデニス・キプルト(1年)が全体2位の快走を披露した。予選会出走12人中10人が2年生以下という若いチームであり、8人が自己ベストを記録するなど、今後の伸びしろが大いに期待される。

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