3年ぶりの箱根本戦出場を狙った拓殖大は、予選会で16位だった。チームトップは留学生のラファエル・ロンギサ(1年)で全体17位の走りを披露したが、チーム2位の藤原稜太(3年)が全体95位で、それ以降は100番以内に入れなかった。だが、予選会出走12人中9人が3年生以下で、新チームでも健在。そして何より、チームは昨年4月に駒澤大OBの井上浩監督、治郎丸健一コーチが就任したばかり。「新時代」をスローガンに掲げた“チーム改革”を絶賛進行中であり、次こそは4年ぶりの箱根切符獲得に期待が高まっている。
上武大も力を持っている。昨年の箱根予選会では17位に終わったが、こちらも出走12人中11人が3年生以下であり、若く、伸びしろがあるチームだ。予選会全体5位の走りを見せたチーム初の留学生カマウ・パトリックは、昨年7月の士別ハーフマラソンで実業団選手にも走り勝って優勝を飾ったランナー。予選会でチーム2位の海村蓮(3年)も伸び盛りで、新チームでは前年以上の成績を残せるはずだ。長く監督を務めた花田勝彦氏はすでにチームを去って現在は早稲田大の監督を務めているが、昨年5月から新たに2004年アテネ五輪男子マラソン6位入賞の諏訪利成氏が監督に就任。再び箱根路に戻ってくる準備を整えている。
今年の箱根駅伝は、往路で史上最多タイ16校一斉スタートとなり、シード権争いは最後まで大混戦。最終的に7位の創価大から19位の日大までが3分43秒差という“僅差”となった。「2強」が強さに磨きをかける中、それ以外の大学もスピード強化に成功している。今年の箱根に出場できなかった大学でも来年、見せ場を作ることができるはずだ。