ってことで本人にしてみれば心外な反発をくらうこともあるらしく、いやお父さん言い方ってものがあると思うよ、みんな一生懸命なんだから批評より褒め言葉でしょと私も「助言」するわけだが、父の年になってそうそう染みついた性格が変わるはずもない……と思っていたんだが。
なんかこの正月、父の言動がこれまでと違うのだ。
何かにつけ「ありがとうね」。何度それを聞いたろう。
年賀状も世を憂うトーンは薄まり、こう締められていた。「高齢化が進む世の中なれど、私自身は心からの感謝の念を持って皆様との絆を大切にし今後とも精一杯生きていきたいと願っています」。人は変わる。いくつになっても。
※AERA 2024年1月22日号