10代の若い女性でも、学校を休まなければならないほど重い月経困難症の人は多くいます。そういう人は子宮内膜症になるリスクが高く、「早めに低用量ピルなどによる治療をすることが、子宮内膜症の予防や進行を遅らせる有効な手段になる」と田畑医師は話します。
高校生やその保護者には、婦人科への受診やピルの服用に抵抗感をもつ人もいるようですが、治療に使用されるピルは低用量のため、吐き気などの副作用はほとんどなくなっているといいます。また、薬の種類も増えているため、最初の薬が合わないときには別の薬に替えることも可能です。
「婦人科への受診をためらう理由として内診への不安があるときは、はっきり『内診はしたくない』と医師に伝えましょう。娘さんが言えなければお母さんが言ってあげてほしいですし、問診票に記入してもいいです。性交渉の経験がない若い女性や、内診に抵抗がある女性には内診をしない診察の方法もあります。重い月経痛などの症状がある人には問診で詳しく話を聞いた上で薬を処方することもできます。安心して、まずは最寄りの婦人科クリニックを受診してみてください」
(文・出村真理子)