診察では、問診のほか、X線画像検査、上肢と下肢の感覚や筋力のチェックなどをおこないます。軟骨組織の椎間板はX線には写らないため、神経の異常が疑われる場合にはMRI(磁気共鳴断層撮影)やCT検査をします。
首・腰の病気の予防に効果的な三つのこと
首・腰の病気の予防には、次の三つが効果的です。一つ目が、運動療法。ストレッチや筋力トレーニング、バランス能力のトレーニングを通じて、腹筋や背筋、脊柱を起立する筋肉などを鍛えること。二つ目が、体重。増えすぎると姿勢が悪くなって腰やひざに負担がかかります。
「特にBMIが25を超えている人は、ぜひトレーニングをしましょう。でも、やりすぎないようにしてください。歩く場合は15〜20分程度で一段落を。1時間以上歩くと腰やひざなどに負担がかかります。持病があって通院中の人は、主治医と相談してからおこなってください。プールでの歩行もおすすめです」(佐藤医師)
三つ目が、日頃の姿勢。近しい人に撮影してもらい、日頃の姿勢を確認するのもおすすめです。
「パソコンやスマホの使いすぎで、顔が前に出て猫背になっていたり、枕が低すぎて首を悪くしていたりしていないでしょうか。仕事などで中腰や腰を反る姿勢になることが多い人は腰を痛めやすいので気をつけてください」(佐藤医師)
また、あまり知られていないのは、肩こりがあるとき、頭をくるくる回して首を鳴らす行為は厳禁だといいます。
「軟骨を痛めて悪化しやすくなるので、肩を上げ下げ (肩甲骨を上下や寄せたり離したりする)する程度にしましょう」(佐藤医師)
加齢そのものは防ぎようがないので、自分のからだと上手に付き合おうと考えることが大切。首や腰を適切にケアしていきましょう。
(取材・文/小久保よしの)