学生時代、さまざまな国で撮影した

 23年2月、久保田さんと北角さんは映像サイト「Docu Athan(ドキュ・アッタン)」を開設した。同サイトは、ミャンマーで撮影され編集されたドキュメンタリーなどを公開しているほか、映像作家やジャーナリストへの金銭的な支援もする。また、使っていないカメラやSDカードなどの寄贈を日本で呼びかけ、無償で貸し出すという。

より多くの人に

 サイト名のアッタンは、ミャンマー語で”声”を意味する。

「弾圧下のなか、制作を続ける彼らをサポートでき、新たな制作意欲につなげられればと考えています。ミャンマーで起きていることがより多くの人に知れ渡ればと思い、名付けました」

 と久保田さんは語る。

「もう僕はミャンマーへ渡航ができない。だから僕にしかできないことをしていきたいなと思っています。映像を撮る動機にしてもそうです。自分にしか撮れないことを意識している。ミャンマーで捕まった経験がある僕だからこそ、言論が押し付けられてきた現状を肌身で感じてきた僕だからこそ、ほかに何かできることはないか。映像を撮るという職能で何か貢献できないか。そんなことをいつも日々、模索して生きています」

 12月20日には、企画の第1弾として先に準備したカメラ3機やレンズをタイの協力団体へ贈った。

 Docu Athanでは引き続き、自由を奪われたクリエイターたちに貸し出すためのカメラ機材などを募集している。寄付などの連絡は、docuathan@gmail.comまで。

(AERA dot.編集部・板垣聡旨)

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