元日の夕方に発生し、最大震度7を観測した能登半島地震によって、我が家の防災を見直した人は多いのではないだろうか。ホームセンターなどの防災用品売り場では、売り切れの商品も出ていると報じられている。いざという時のために覚えておきたい防災のコツやアイデアを紹介する(「AERA dot.」2020年11月29日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)。
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災害時の厳しい状況の中で、心身を元気にしてくれるのは温かい食事。ライフラインが止まったときにはカセットコンロが調理に活躍する。その際、貴重な水やガスを節約できるのが、ポリ袋調理。ポリ袋で湯せんして作る「お湯ポチャレシピ」とそのコツを東京ガス広報部の池永美幸さんに聞いた。
災害時に役立つのがポリ袋を使った調理方法。浅漬けなど野菜や調味料を入れて混ぜるだけでなく、種類を選べば加熱料理にも使える。材料を入れてポリ袋の口を結び、水を入れた鍋で袋ごと加熱する。つまり、湯せんで調理する方法だ。
鍋の水が汚れないため、災害時に水を何度も使うことができる。また、複数の料理やごはんをひとつの鍋で作れるので、カセットコンロのガスの節約にもなる。材料はキッチンバサミで切り、袋ごと皿に盛りつければ、洗いものも減り、さらに節水になる。まさに災害時にはぴったりの調理方法なのだ。野外で調理するキャンプにも活用できそうだ。
ポリ袋は、高密度ポリエチレン製(0.025mm以上)か、「湯煎可」と明記してあるものを使用すること。また、鍋底の熱で袋に穴があかないよう、皿などを敷く。水の量は鍋の3分の1程度が目安だ。
「作る分量が多いときは、ひとつの袋に大量に材料を入れず、小分けにして袋の数を増やすことがコツです。食材は厚さが均等になるように平らに入れます。加熱すると袋が膨らむので、空気を抜きながら、袋の口になるべく近い位置で結んでください」(池永さん)。
いざという時のために、一度平時に作ってみよう。缶詰やレトルト食品を使えば、非常食の賞味期限のチェックにもつながる。
(1) ポリ袋でごはんを炊く
材料 1合分
米(無洗米)…1合
水…200cc
作り方
1 高密度ポリエチレン製のポリ袋に米と水を入れ、空気を抜きながら、根元からねじ上げ、袋の口に近い位置で結ぶ。
2 鍋に皿を敷き、水を3分の1注いで1の袋を入れ、フタをして火にかける。
3 沸騰したら、中火にして20分火にかけ、火を止めて10分蒸らす。