日本海側の津波は、断層が陸地に近いため、地震発生から到達までの時間が早くなる特徴がある。今回、輪島港では地震発生と同時に第1波を観測した。
地滑り起きやすい地域
高橋特任教授は、日本海側の海の特徴として、「潮の満ち引きが小さいことにある」と言い、こう続ける。
「太平洋側は潮の干満の差が2~3メートルなのに比べ、日本海側は10~20センチ程度。そのため日本海側は家が海岸線ギリギリの場所に立ち、わずかな津波でも影響を受ける可能性があります。また津波は繰り返し襲ってくるので、第1波で壊された防潮堤があると、そこから津波が浸入する心配があります」
また、能登半島は約2千万年前に海底堆積物が隆起した「第三紀層地滑り地域」でもある。地滑りが起きやすいエリアで、発生すれば交通が遮断され、救援物資が届かなくなる心配があると高橋特任教授。
「第三紀層地滑り地域は能登半島以外にも新潟や長崎、徳島など各地にあり、ハザードマップで確認できます。このエリアに住む人は、最低でも水1リットルと、持病がある人は持病の薬を常に持ち出せるようにしておくことが大切です」
(編集部・野村昌二)
※AERA1月15日号より抜粋