アルバイトにすべてを搾取される“バ畜”というワードが大学生の間で広がっている。写真はイメージ(GettyImages)
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 まもなく暮れる2023年を、AERA dot.で読まれた記事で振り返ります。10月は、将棋藤井聡太氏が「八冠」を達成。大リーグの大谷翔平選手は、アジア人として初の本塁打王に輝きました。また、イスラエルではハマスが奇襲攻撃し、現在も戦闘は続いています。AERA dot.では、大学生らが家畜のようにバイトで働かされる「バ畜」について取材した記事「大学生に蔓延する『バ畜』 学業も私生活もすべて犠牲にして“アルバイト漬け”になる若者たちの心理」が読まれました(肩書や年齢等は配信時のまま)。

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 “バ畜”という言葉を聞いたことがあるだろうか? 会社のためにまるで家畜のようにがむしゃらに働かされている人を意味する“社畜”という言葉があるが、“バ畜”はそのアルバイト版。これが最近大学生たちの間で広まっているという。学業やプライベートをなげうってまでバイト漬けの日々を送る“バ畜”になってしまう事情と、その背景を取材した。
 

「僕はバ畜だと思います」

 大手家電量販店の携帯電話売り場でアルバイトをしている、大学3年生のユウタさん(仮名)は、力なくそう笑った。

 ユウタさんはもともと、飲食店でのバイトを渡り歩いてきたが、どの店でも「給料が安いわりに仕事がハード」であることに嫌気が差していた。個人経営の居酒屋では、店長の代わりに1日中店番をするだけでなく、仕入れや売り上げの管理、ほかのバイトたちのシフト作成、クレーム対応までやらされた。

「責任を負うことが多くて、肉体的にも精神的にもきつかった。時給は1000~1100円なのに、なんでこんなことまでしないといけんのじゃって思ってました」

 しかし、お金は稼がなければならない。ユウタさんは認知症の祖母の介護をしながら大学に通っており、生活費は全額、学費も半分は自分でまかなっている。プロを目指して音楽活動にも打ち込んでいるため、その費用もかかる。そこで、1500円の時給に魅かれて、今年7月から家電量販店でのバイトを始めた。

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朝9時から夜7時まで10時間ぶっとおしで働く