来季からドジャースでプレーする大谷翔平(USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今オフにフリーエージェント(FA)となり新たなチームを移籍先に選んだ大谷翔平(エンゼルス→ドジャース)と前田健太(ツインズ→タイガース)。2人の新天地はそれぞれプレーするうえで心配な部分もあるという。来季から新たな挑戦が始まる2人にとって、まずは環境への適応も課題になりそうだ。

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 大谷はエンゼルス時代のフランチャイズもロサンゼルスとなっていたが、実際はアナハイムにあり、今回のドジャース移籍で“本当の意味”で大都市ロサンゼルスのチームでプレーすることになった。

「ロサンゼルスは6年間在籍したエンゼルスの本拠地アナハイムから車で約40分。日本人も多くて生活習慣には何の変化もなくスムーズに対応できるはず。問題はドジャースを取り巻く環境で、グラウンド外での対応を必要以上に求められること」(在米スポーツライター)

 ロサンゼルスはハリウッドに代表されるようにエンターテインメントの本場だ。本拠地ドジャースタジアムのVIP席には連日、各界の著名人が足を運ぶ。試合前後には記念撮影やサインなどの対応をするのが日常茶飯事。休日でもパーティー等への出席も求められるなど休む暇もないほどだ。

「球団へ大量のお金を落としてくれるVIP関係者への対応も選手の役割の1つ。エンゼルス時代のように自身の状況に合わせて対応を選ぶことは許されないかもしれない。(大谷は)ルーティーンを大事にする選手だけに心配な部分ではある」(スポーツマネージメント会社関係者)

「大谷は自身のレベルアップに専念する求道者のような部分もある。自ら積極的に愛想を振り撒くタイプでもない。ドジャースではリップサービスを含めたファンサービスも含められるはず。頭が良い選手なのでうまくやってくれると思いますが……」(MLBアジア地区担当スカウト)

 一方の前田は来季からはタイガースでプレーすることが決まった。前田は2016年に海を渡って以降、これまでドジャースとツインズでプレー。ツインズ時代の2021年9月には右肘のトミー・ジョン手術を受けて翌年には全休したが、今年は591日ぶりとなる公式登板を果たすなど6勝をマークした。

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前田の新天地は“危険”?