なかやまきんに君
なかやまきんに君
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 まもなく暮れる2023年を、AERA dot.で読まれた記事で振り返ります。4月は、和歌山県で岸田首相を狙った爆発物事件が起きたほか、沖縄・石垣島沖で陸自の師団長ら10人が乗ったヘリが墜落しました。また、音楽家の坂本龍一さんや「ムツゴロウ」こと畑正憲さんが亡くなりました。AERA dot.では、お笑い芸人のなかやまきんに君の快進撃を伝えた記事「Z世代に超人気『なかやまきんに君』が“令和のCM王”にまで上り詰めたワケ」が読まれました(肩書や年齢等は配信時のまま)。

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 先の統一地方選の啓発動画、保湿ジェルのイメージキャラクター、バトル昆虫トイ「カブトボーグ」の新CM、そしてJRAとのコラボ……これらはすべて最近発表されたなかやまきんに君(44)が関わったCMやPR案件だ。広告界ではいま、彼の快進撃が止まらない。
 

 2000年に“筋肉ギャグ“を前面に押し出したピン芸人としてデビューし、アメリカへの2度の筋肉留学などを経て、18年ごろからブレークの兆しを見せていたきんに君。そんななか、突如として22年1月に吉本興業との契約終了が発表され、フリーに。独立後は上昇気流に乗ったまま、露出も増え今や飛ぶ鳥を落とす勢いだ。なかでもCMに関しては、22年1~6月の間に17社からオファーを受けたことが話題となった。

 今年もブックオフや花王、日清食品、ニッスイなどのCMに出演中のきんに君。なぜ彼は“CMキング”になり得たのか。芸能界に詳しいCMプランナーはこう語る。

「まず、筋肉キャラのわかりやすさでしょう。加えて清潔感もあります。YouTubeも絶好調で若者層への影響力も強く、知名度も抜群なので、老若男女に訴求できます。食品系のCMだと必ずキャスティング案に名前が挙がりますね。吉本さんだとCMギャラは比較的高めの交渉になることが多いのですが、きんに君はフリーになったので、ある程度は柔軟に対応できるようです。ギャラ設定を下げても、これだけCMタレントとして売れていれば、本人の収入はむしろよくなっているはずです。これは想像ですが、おそらく広告業界にも明るいとても有能なブレーンがついているのでは。独立されてからこれだけ活躍するのは芸人では珍しいケースです」

 くしくも、きんに君が独立した年は「ユーキャン新語・流行語大賞」で彼の持ちギャグである「ヤー! パワー!」が選出。ここがブレークポイントになった。また、独立直前の21年12月に福岡市内の警察署の一日署長を務めた際には、そのギャグが真面目なNHKアナウンサーの“ツボ”に入ってしまうという珍事もあった。「福岡市民の安全を守りますか? 守らないですか?」と記者から聞かれたきんに君は、「安全を守るのかい? 守らないのかい? どっちなんだい! まーもーる! パワー!」とドヤ顔で返したのだが、そのVTRを見たNHKのアナウンサーが吹き出してしまい、ニュースが読めなくなるという“放送事故”を引き起こしたのだ。
 

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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「筋肉留学」から10キロ痩せて帰国