M-1グランプリ2023の審査員を務める「海原やすよ ともこ」の海原ともこ
この記事の写真をすべて見る

 漫才の祭典『M-1グランプリ2023』が12月24日に行われる。例年は決勝当日の昼間に敗者復活戦の模様が放送され、そこから少しの時間をあけてから、決勝が放送されていた。

【写真】昨年のM-1で松本人志が絶賛したコンビはこちら

 しかし、今年はその合間がなくなり、敗者復活戦の放送後にそのまま決勝が始まる。熱心なお笑いファンは7時間あまりの間、テレビの前に釘付けになることになる。

 今年の決勝前に話題になっていたのは、審査員が1人入れ替わったことだ。昨年の審査員のうち、松本人志、博多大吉、山田邦子、中川家・礼二、富澤たけし、塙宣之(ナイツ)の6人は続投する一方、立川志らくが勇退して、その代わりに漫才コンビ「海原やすよ ともこ」の海原ともこが加わることになった。

 海原やすよ ともこは、実の姉妹コンビであり、戦前から活動していた漫才コンビ「海原お浜・小浜」の小浜の孫である。「やすとも」の愛称で親しまれ、関西では知らない人はいないほどの人気者であり、数多くのレギュラー番組を持っている。

 漫才師としても多数の受賞歴があり、現在は漫才の聖地・なんばグランド花月でトリを任されている。

『M-1』の審査員を務めるのにふさわしい実績を持っているレジェンド芸人ではあるが、正直なところ、審査員をやるイメージはなかった。これまでほとんどそういう仕事をやっていなかったし、本人も乗り気ではなかったはずなので、相当強く説得されたのだろう。 

著者プロフィールを見る
ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

ラリー遠田の記事一覧はこちら
次のページ
山田邦子と女性審査員は2名に、影響は?