議会でのやりとりや、週末に石丸市長自らが出演する動画をライブ配信すると、
「狙いは的中しました。まず、安芸高田市が広島にあることすら知らない人が出張で来ると、正確に『あきたかた』と言ってくれます。ふるさと納税でも寄付額はうなぎ登り。一度、安芸高田市に行ってみようという関係人口は爆発的に増えました。次にライブ配信をスタートさせると、こちらもコメントを追い切れないほどの支持をいただきました。市議会もユーチューブでライブ配信しており、こちらも二次使用、いわゆる切り抜き動画を自由にしたところ、数え切れないほどのサイトがアップされて、さらに知名度が上がりました」
ユーチューブの切り抜き動画の中には再生回数が100万回を優に超え、公式チャンネルをしのぐ動画もある。お笑いコンビ「オリエンタルラジオ」の中田敦彦さんが配信する人気ユーチューブチャンネルで「居眠り論争&恫喝疑惑…リアル半沢直樹こと石丸市長と議会のバトルから目が離せない」などと題し、複数回取り上げた。
議会に響いた「恥を知れ! 恥を!」
内容についても、
「半沢直樹型エンタメとも言われている」「普段だれも見もしない地方議会のユーチューブが回る」
などと解説。様々なチャンネルで人気コンテンツとなっている。

人気の要因は、市長と議会との対立構造のおもしろさではあるが、それを際立たせているのが「石丸語録」だ。
先述した「居眠り事件」のとき、石丸市長は語気を強めてこう発言した。
「居眠りをする、一般質問をしない、説明責任を果たさない、これこそ議会軽視の最たる例です。恥を知れ!恥を!……という声が上がってもおかしくないと思います」
すると、テレビニュースなどでは、「恥を知れ、恥を」の部分が切り取られて全国に流れ、それがまたユーチューブでも流れてバズる。人口が3万人に満たない地方自治体の議会中継が全国の若い世代の目にも留まり、「石丸劇場」などと言われて興味を引くのだ。
石丸市長は、ユーチューブでの効果的な見せ方についてこう語った。