2度否決された副市長人事案を再議に付した理由を説明する石丸伸二市長=2021年6月

「『恥を知れ』はすっかり知れ渡りました。実は市議会で本気で怒ったことは一度もありません。劇場型と指摘されるような発言は、数日前から考えています。そして、起承転結となるように計算して話しています。恥を知れのときも、その前段で『これこそ議会軽視の最たる例です』と前振りし、最後は『どうか恥だと思ってください』と締めました」

 回りくどい言い方はせず、歯に衣(きぬ)着せぬ物言いでズバズバとベテラン議員に切り込む様子は、ユーチューブ視聴者の比較的若い世代にとってもわかりやすく、すっきりするのか、コメント欄には好意的な声が多く並ぶ。

 今、国政では自民党安倍派のパーティー券キックバック事件で「政治再建」が求められている状況もあってか、ライブ配信では「国政に出ないのか」との質問も出ている。

来年8月で任期満了→2期目は?

 その点について石丸市長は、

「ないです。誘いもないです。私に声をかけたら、すぐにSNSとかで言っちゃうから警戒されているのかな。国政となればどこかの政党に入ることになる。今の自民党、公明党とは一緒に仕事するのはしんどい。野党も維新がちょっと頑張っているくらいでしょう。国政は一人では何もできないけど地方政治はそこが違います。自分で種をまいて芽が出て、ちいさい畑でも育てていく。今はそういう思いです」

 では、来年8月で4年の任期が満了となる。2期目はどうなのか。

「政治再建の公約は成果がでてきた。残り2つの公約は都市開発と産業創出。これをやるには10年、20年、それこそ5期もやらないといけない。うーん、どうかなと。いずれにしても、来年8月ですから1カ月前には決断するつもりです」

「石丸劇場」はまだ続きそうだ。

(AERA dot.編集部・今西憲之)

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