オグリキャップ

 2023年もいよいよ年の瀬が迫り、有馬記念の季節がやってきた。残念ながらファン投票1位のイクイノックスと2位のリバティアイランドは出走しないが、今年のダービー馬タスティエーラや皐月賞馬ソールオリエンス、昨年のダービー馬ドウデュースなど多くのG1馬が年末決戦を盛り上げてくれるだろう。

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 ところで、有馬記念と言えば切っても切り離せないのがファン投票。グレード制導入後の1984年以降で集計すると、ファン投票1位だった馬が有馬記念に出走しなかったのは今年のイクイノックスでたったの4回目だった。宝塚記念のファン投票1位馬の不出走が同スパンで11回(うち1回は出走取消)もあったのと比べると、やはり有馬記念の重みというものがあるのだろう。

 ちなみに過去にファン投票1位ながら有馬記念を回避したのは、2008年と2009年のウオッカと2012年のオルフェーヴル。ウオッカは3歳だった2007年もファン投票1位で、この年は出走したものの11着と惨敗した。続く京都記念も6着に終わって以降は頑なに左回りのレースにこだわり続け、有馬記念に出ることは2度となかった。

 2012年のオルフェーヴルは欧州遠征での凱旋門賞2着、帰国後のジャパンカップ2着と激戦が続いたこともあって有馬記念を回避。ただし翌13年は再び凱旋門賞2着の後にジャパンカップには出ず、ファン投票1位で選出された有馬記念を引退レースとして有終の美を飾っている。

 ちなみにこの回避馬のべ3頭を除くと、ファン投票1位で有馬記念に出走した馬の成績は11-8-4-13。昨年こそタイトルホルダーが9着に沈んだが、勝率30%、連対率52%、複勝率64%はなかなかの好成績と言っていいのではないだろうか。

 さて、次はファン投票の獲得票数に注目してみよう。長らく歴代1位の座を守っていたのは1989年にオグリキャップが獲得した19万7682票だった。1989年と言えば平成元年。武豊騎手の台頭とオグリキャップの登場で爆発的な競馬ブームが到来した時期だった。

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オグリキャップの最多得票記録が破られたのは?