翌2019年に入団した選手も宮城大弥(オリックス1位)、佐々木朗希(ロッテ1位)がリーグを代表する投手となった一方で、立野和明(日本ハム2位・来季から日本海リーグ富山でプレー)、吉田大喜(ヤクルト2位)、太田龍(巨人2位)の3人がこのオフに退団し、佐藤直樹(ソフトバンク1位)も育成再契約になるなど上位指名の選手に早くも明暗が出てきている。怪我からの復帰を目指す奥川恭伸(ヤクルト1位)の状態も気になるところだが、同じ高校生ドラフト1位でより厳しい立場となっている印象を受けるのが森敬斗(DeNA1位)だ。
2年目には44試合出場で20安打、3年目には61試合出場で36安打と順調に成績を伸ばしているように見えたが、今年は怪我もあってわずか9試合の出場で2安打という寂しい成績に終わった。気になるのは二軍でもなかなか打率が上がらず、また守備面でも時折驚くようなプレーは見せるものの、安定感が出てこない点だ。高校生は佐々木、奥川、石川昂弥(中日1位)、大学生にも森下暢仁(広島1位)という大物が揃っていた中でも最初の入札で森を指名したというのは、長くショートのレギュラーになってもらいたいという期待が高かったからに他ならない。
しかし昨年は林琢真、今年も石上泰輝と2年続けて年齢の近いショートの選手をドラフトで指名していることからも、森への期待感が年々小さくなってきていると考えられる。脚力や肩の強さなど、基本的な運動能力の高さは誰もが認めるレベルにあるだけに、来年は何とか攻守に堅実さをアップさせて、成績を安定させられるかが重要になるだろう。
2020年は栗林良吏(広島1位)、伊藤大海(日本ハム1位)、佐藤輝明(阪神1位)、高橋宏斗(中日1位)、木沢尚文(ヤクルト1位)、牧秀悟(DeNA2位)、伊藤将司(阪神2位)、山崎伊織(巨人2位)などが主力となり、近年では最も“当たり年”と言えるドラフトとなっているが、そんな中でそろそろ結果が求められるのがともに大学からプロ入りした渡部健人(西武1位)と五十幡亮汰(日本ハム2位)の2人だ。