記者会見で質問を聞く日本大学の林真理子理事長=2023年12月4日

 日大ブランドの低下が止まらない。アメフト部の「悪質タックル問題」以降も不祥事は終わらず、部員1人が大麻や覚醒剤を隠し持っていたとして逮捕(麻薬取締法違反罪で起訴)され、その後も2人が逮捕、1人が書類送検された。この件をめぐっては、大学側の管理のまずさも表面化し、学長と副学長の辞任、理事長の減給という処分に発展した。受験校を決めるタイミングでの不祥事拡大で、受験生の日大離れに拍車がかかっている。

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 日大ブランドの失墜に不安の声があがっている。4日に開催された記者会見でも『日大新聞』の学生記者からこんな声があがった。

「アメフトの薬物問題以外で日大の体制の問題とか、いろいろな問題が出てきて、いち学生としてあきれる気持ちでいっぱい」

「以前の会見で、我々学生の就活への影響が一切ないようにしたいとおっしゃっていた。実際どのように影響がないようにしたいのか」

 SNSでも〈30年後とかには日大残ってないかも〉、〈日大ブランドは失墜 日大の真面目に通っている学生さん達が可哀想〉などといった声が相次いでいる。

 来年入試への影響も必至だ。

 東進ハイスクールが実施した模試「全国統一高校生テスト」によると、日大を志願する高校生の指数は6月時点では前年同月比で100だったのが、大麻問題が深刻化した11月時点の数字では83にまで減った。全私大志願者に占める日大を志願する受験生の割合を見ても、6月に5.1%だったのが、11月には4.2%に減っていた。

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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志願者はどこまで減るのか