23年度の一般選抜の日大の志願者数は9万8千人だった。模試の指数をそのまま当てはめると、8万人台前半にまで落ち込む計算になる。果たしてそこまで影響するのか。

 日大に尋ねると「志願者数は複数の要因により変動するため現段階でコメントすることは難しい」ということだったが、教育ジャーナリストの神戸悟さんは「最悪なタイミングで不祥事が拡大した」と見る。大麻問題で最初の逮捕者を出したのは8月だ。10月に2人目、11月に3人目の逮捕者を出した。さらに11月には一人が書類送検されている。神戸さんはこう指摘する。

「一般選抜の願書提出は1月です。夏から12月にかけて受験生は受験する大学を決めます。日大はその間に悪いニュースを出し続けてしまいました。23年度入試では志願者数を増やし盛り返していたのですが、再び減るのではないでしょうか。併願先として選ぶ受験生が減ると見ています。9万人を割る可能性もあります」

 不祥事を連発した日大だが、ダブル合格の進学率(東進ハイスクールデータ)にも影響が出ている。例えば、日大と東洋大にダブル合格した場合、どちらの大学に進学したかの割合を見てみると、タックル問題が起きる前の18年は日大への進学率が63.8%だったが、問題後の19年は東洋大が54.5%と逆転。その後も東洋大が20年60.4%、21年78.4%、22年58.6%、23年76.6%と上回ってきた。

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研究力の低下も懸念