ビシエドと対戦するセ・リーグの球団スコアラーも、「怖い打者であることは間違いない」と強調する。
「中日の首脳陣の指導法がどうこうではなく、ビシエドの長所を伸ばす指導者に巡り合えば変わると思います。タイプ的には本塁打を量産するタイプでなく、外野の間を射抜く鋭い打球が多いので5、6番のほうが力を発揮できる。真面目な性格と聞いているので、4番で起用されると『自分が走者を還さなければ』と余計な力が入っているように見えた。得点力不足が深刻な状況だったらなおさらでしょう」
そしてこう続ける。
「今年好調を持続できなかったのは打撃技術だけでなく、精神面での影響もあったのではないでしょうか。トレードとなれば金銭面が大きなハードルになりますが、そこをクリアできれば獲得に乗り出す球団は複数あると思いますよ。優良の助っ人外国人が獲得できない時代で、ビシエドは十分に計算できる。来季は日本人扱いになるので、起用法で外国人枠を気にしなくてよいのも大きなメリットです。打率.280、15本塁打、70打点はクリアできるでしょう」
最大のネックは年俸面
中日で置かれた立場を考えると、中田、中島の加入で来季の出場機会が減少するのは必至だ。他球団の評価が高い状況を考えるとトレードの選択肢が考えられるが、最大のネックは年俸面だ。来季が複数年契約の最終年で推定年俸は3億5000万円。18年オフに大型契約を結んだが、当時より円安が進んでおり、現在はさらに年俸がはね上がる。移籍の場合は中日が年俸の大部分を肩代わりする形でなければ、獲得に動く球団が出てくることは考えづらい。