中日への愛着は強いという

  スポーツ紙デスクは、こう指摘する。

「年齢を重ねて以前よりスイングスピードが落ちている分、体が突っ込んでボールと衝突するような打ち方では安打や長打を量産できなくなっている。立浪監督とは打撃フォーム改造の重要性を何度も話し合ってきました。体になじんだ打ち方を変えるのは難しいと思いますが……」

強打者の宿命

 ビシエドは89年3月生まれの34歳。坂本勇人巨人)、柳田悠岐(ソフトバンク)、宮崎敏郎(DeNA)、秋山翔吾(広島)、田中将大楽天)、前田健太(タイガース)ら名選手たちと同学年の黄金世代だ。加齢による衰えを指摘する声が多く聞かれるが、実は他球団からの評価が高い。

 パ・リーグ球団の編成担当は「打撃を大幅に変えなくても打率3割、20本塁打はクリアできる」と断言する。

「ビシエドは来日当初から現在の打ち方で成績を残してきた。スイングスピードが落ちたことが取り上げられますが、問題はそこではない。元々が中距離打者でライナー性の打球が多い。本塁打を求めるから打撃のバランスが崩れるのだと思います。広いバンテリンドームではなかなか本塁打が出ないですから。打撃フォームより、ボール球に手を出さないアプローチに重点を置けば輝きを取り戻せると思います。併殺打が多いことが指摘されますが、強打者の宿命です。弱点にフォーカスするより、広角に安打を打ち分けられる打撃技術を評価すべきです。変化球への対応力が高いし、日本野球を熟知している。一塁、指名打者で十分に戦力になります」

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中日への愛着は強い