■伊藤洋輝(シュトゥットガルト)
将来の有望株としてシュトゥットガルトのBチームに加入し、そのパフォーマンスであっという間にトップチームのレギュラーを獲得してから早くも2年半が経過。これまでは左センターバックでの起用がほとんどだったが、今季は左サイドバックにコンバートされると、ブンデスリーガ上位争い(第13節終了時点で3位)を繰り広げるチームに欠かせない存在となった。フルバックが本職の選手を抑えてレギュラーに君臨する24歳のDFは、ドイツメディアでも「オールラウンダー」として高い評価を獲得しており、特にロングフィードの質は目を見張るものがある。
そんな伊藤も当然のように移籍市場の話題に。夏にはアヤックスへの移籍が頻繁に騒がれていたが、最近ではアンジェ・ポステコグルー監督率いるトッテナムの関心も伝えられている。8月にはシュトゥットガルトと2027年までの新契約を結んだものの、ドイツ『スカイ』は3000万ユーロ(約48億円)の契約解除条項が存在すると報道。直近のパフォーマンスと24歳という年齢を考えれば、プレミアリーグのビッグクラブにとっては全く問題とならない金額でもある。
噂されるトッテナムは、今季ヴォルフスブルクから加わったミッキー・ファン・デ・フェンとクリスティアン・ロメロがセンターバックとして抜群の関係を築いているが、前者は怪我で長期離脱中であり、後者は頻繁に出場停止処分を受けている。控え選手の層も薄く、補強ポジションとは合致する。さらに“偽サイドバック”的な特殊な動きも、伊藤のフィジカル能力と戦術理解度があれば適応は問題ないだろう。アーセナルにおける冨安健洋のように、幅広いタスクでの活躍を想像するのは簡単だ。シュトゥットガルトがシーズン中に絶対的な主力を放出することはないだろうが、来夏の移籍市場でより大きなビッグクラブへと飛躍する可能性は十分にある。そして、それを期待させるだけのパフォーマンスを続けているのも確かだ。