■鎌田大地(ラツィオ)
昨季限りでフランクフルトを退団、紆余曲折あった中でラツィオへのフリー移籍が決まった鎌田。初挑戦のセリエAでは開幕4試合連続で先発、1ゴール1アシストと好スタートを切ったかに見えたが、マウリツィオ・サッリ監督は「バランスの問題」として絶対的司令塔であるルイス・アルベルトとの併用を現時点では断念。「起用したいのは山々だが……」としつつも、日本代表MFを8試合連続でベンチに座らせていた。本人のパフォーマンスよりも戦術的な選択でスタメンを外れており、この状況はしばらく続くことが予想される。
イタリア複数メディアの報道によると、サッリ監督とクラウディオ・ロティート会長は夏の補強を巡って対立。実際に指揮官は「私が指定したプレイヤーはやってこなかった」と発言している。これが現在の起用法に繋がっているかもしれない。そしてイタリアで最も信頼できるメディア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によると、鎌田の契約には延長オプションが付帯しているものの、現行契約は今季限りまで。延長オプションの発動には両者の合意が必要だが、今の状況が続けばこのままフリーで退団する可能性が高いと指摘されている。
そんな鎌田の状況は他国でも話題となっており、フランスメディアを中心にマルセイユなどが接触していると伝えられている。フランクフルトや日本代表で証明してきたクオリティはもちろんだが、現在27歳で市場価値は2700万ユーロ(『transfermarkt』)、今後の“再販”で大きな利益を獲得できるであろう彼は移籍市場で大きな価値を持っている。そんな選手がフリーであるならば、手を挙げるクラブは複数存在するだろう。ラツィオでの状況が改善しなければ、本人が退団に傾いても不思議ではない。そして1月からは、来シーズンの加入に向けてどんなクラブとも自由に話し合いが可能となる。冬の移籍市場で退団する可能性はあまり高くないだろうが、これからさらに具体的な移籍報道が出てきてもおかしくはない。