とにかく明るい安村がイギリスのオーディション番組に出演して話題になったとき、多くの日本人は、彼が文字通り「裸一貫」で世界を相手に勝負している姿に魂を揺さぶられたはずだ。

 安村と同じく、小島も海パン一丁で人前に立つハダカ芸人であり、何も持たずに身一つで笑いをもぎ取ろうとするところに潔さがある。

 芸人が作るネタのレベルは年々上がっていて、駆け出しの若手芸人でも卓越したセンスを感じさせる人はたくさんいる。しかし、「センス」だけでは「人間味」には勝てない。

 小島よしおという芸人の本当の強みは、小島という人間そのものの魅力だ。それは、誰よりも誠実で、まっすぐで、がむしゃらであること。子ども向けの笑いを追求し続ける彼は、言語以前の次元で人の気持ちを動かす達人でもあるのだ。(お笑い評論家・ラリー遠田)

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