巨人からトレードで加入するアダム・ウォーカー

 ソフトバンクは17~20年に4年連続日本一を飾ったが、21年以降は3年連続V逸。リーグ3連覇を飾ったオリックスの後塵を拝する形になっている。今季は7月下旬に54年ぶりの12連敗を喫したことが響き、優勝争いから脱落。独走したオリックスに15.5ゲームの大差をつけられ、CS進出が精一杯だった。

 他球団のスコアラーは、ある変化を指摘する。

「野球に緻密さが失われたように感じました。工藤公康元監督が指揮を振るっていた時は投打でスキがない試合運びをしていたが、近年は以前なら考えられなかったミスが続発している。ウォーカーに続いて山川がもし加入しても、チームの体質がガラッと変わるかというとそうではない。絶対的エースの山本由伸が抜けますが、オリックスの方が抜け目のない試合運びをしており総合力は上です。特に投手力の差が歴然としています」

近藤健介

 右の長距離砲が補強ポイントであることは間違いないが、今季はリーグトップの536得点でリーグトップだった。連敗すると歯止めが利かなかった原因は他の部分にある。先発陣の防御率3.63はリーグ5位。規定投球回に到達した投手はゼロで、メジャーから日本球界に復帰1年目の有原航平が挙げた10勝がチーム最多だった。石川柊太が4勝、東浜巨が6勝でいずれも防御率4点台と不安定で、42歳のベテラン・和田毅が8勝、大関友久が5勝だった。

「オリックスは山本が抜けても宮城大弥、山本舜平大、田嶋大樹、東晃平、山岡泰輔と力のある投手が先発陣にそろっている。打線も巧打者の西川龍馬が加入し、さらに得点力が上がる。もちろん、ソフトバンクは手強い相手ですが、和田に負担が掛かる先発陣だと長丁場のシーズンは厳しい。来年も優勝争いの本命はオリックスでしょう」(在阪スポーツ紙記者)

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打線は迫力十分になるが……