石川県の馳浩知事が、東京都内で講演した際の東京オリンピック招致(2021年開催)をめぐる発言が物議をかもしている。東京オリンピックの招致に際して、安倍晋三元首相から「必ず勝ち取れ」「金はいくらでもある」「官房機密費もある」と言われたと話したが、翌日には「事実誤認だった」と撤回した。だが、具体的に発言のどこが「事実誤認」だったのかには言及せず、対応に批判が集まっている。これ以前にも、馳氏は地元で問題発言をしており、言動が問題視されている。
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馳知事は17日、都内で講演した際、自身が自民党の東京オリンピックの招致推進本部長だった当時を振り返り、こんな裏話を披露した。
「当時、総理だった安倍晋三さんからですね。『国会を代表してオリンピック招致は必ず勝ち取れ』と。ここから、今からしゃべること、メモを取らないようにしてくださいね。『馳、カネはいくらでも出す。官房機密費もあるから』」
「それでね、IOC委員のアルバムを作ったんです。IOC委員が選手の時に、各競技団体の役員の時に、各大会での活躍の場面を撮った写真が(あり)、105人のIOC委員全員のアルバムを作って、お土産はそれだけ。だけども、そのお土産の額を今から言いますよ。外で言っちゃダメですよ。官房機密費使っているから。1冊20万円するんですよ」
馳氏はこれらの発言が明るみに出るとすぐに撤回。記者団には「事実誤認の部分を私も確認をしていて、発言は全面撤回した」と説明した。だが、発言のどの部分を事実誤認していたのかという追及には、
「五輪招致にかかわることであり、スポーツ庁、文科省にも報告しているので、これ以上私からのコメントは差し控えたい」
と答えなかった。それ以外の質問にも「事実誤認だった」「全面撤回した」と繰り返すばかりで、具体的な説明を避け続けた。