■議会中にあくびを繰り返し批判も
馳氏は映画の内容に相当不満だったのだろう。石川テレビ社長が定例会見に出席するよう求めたが、同社は応じていない。
「当社の社長はいまだ出席しておりませんし、出るべきではないと考えています。定例会見というのは、県政について記者と知事がやりとりをする場です。(映画に対する議論は)まったくなじみません。もっと県民の生活に直結した課題を議論すべきでしょう」(米澤氏)
では、本当に定例会見は開かれていないのか。
馳氏も引くに引けなくなったのだろう。4月以降は「定例会見」という呼び方はせず、「随時会見」「県民会見」などという呼び名を付け、月に3回ほど会見を開いているという。
これ以外にも、今年9月15日には、石川県議会で、議員の質問中、馳氏があくびを繰り返して緊張感や謙虚さがないと批判を浴びたこともあった。
自らの体験を基にした発言が「事実誤認だった」という釈明は、誰が聞いても理解に苦しむ。その一方で、自身の意に沿わない報道に対しては強権的な態度を取る……111万人もの人口を抱える石川県を指揮する知事として本当にふさわしいのか、改めて注視していく必要があるだろう。
(AERA dot.編集部・上田耕司)