対談ゲストの生方美久さん(左)と松下洸平さん(撮影/植田真紗美)

 松下洸平さんがホストを務めるAERAの対談連載「じゅうにんといろ」、15人目のゲストはドラマいちばんすきな花」の脚本家・生方美久さんです。助産師から転身し、若きヒットメーカーとして注目を集める生方さんとの充実した時間の始まりです。10月2日号に掲載した対談の様子を紹介します。

【写真】松下洸平が「いちばんすきな花」脚本家・生方美久さんと対談 「台本を初めて読んだ時、『なんて素敵なんだろう』と」

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松下 本日はお越しいただき、ありがとうございます! 

生方 よろしくお願いします。

松下 生方さんが脚本を書かれるフジテレビ系ドラマ「いちばんすきな花」(木曜22時)で、僕は主演のひとりを務めさせていただくことになりました。そのご縁で今回の対談が実現して、うれしく思っています。これまで、役者さんと対談されたことはありますか?

生方 対談は、ないですね。

松下 そうなんですね。今回は貴重な機会をありがとうございます。

生方 こちらこそ、ありがとうございます。

松下 初めてお会いしたのは今年2月、エランドール賞授賞式の会場でした。「いちばんすきな花」のプロデューサー、村瀬健さんが紹介してくださって。

生方 そうでしたね。あの時、まだ台本はできていなかったんですが、主演4人の候補に松下さんのお名前がすでに挙がっていて、村瀬さんに「会っておこうよ」と言われて。

松下 そうだったんですね! じっくりお話しする時間はなかったんですが、僕は、村瀬さんと生方さんがタッグを組まれた同系ドラマ「silent」(2022年10~12月)をいちファンとして観ていたので、感想はもちろん、ドラマ内で流れていたスピッツの曲が大好きなことを伝えさせてもらいました。

生方 私はあの日、松下さんにごあいさつをすると思っていなかったのですが、いい意味で緊張しなかったです(笑)。このまんまの存在感で、直感的に悪い人じゃないとわかったというか……。今まで会った俳優さんが怖かった、ということではないんですが(笑)。

松下 あはは(笑)。

生方 私、基本的に嫌なんですよ、俳優さんと対面するのが。ドラマの撮影現場には、雰囲気が見たいから行くことがありますが、私が行くと俳優さんたちは嫌だろうな、とも思ってますし。脚本家は、台本を渡すのが仕事であって、現場にいる仕事じゃないし、自分という人間が見えない方がいいと思っているので、基本的には近づかないようにしています(笑)。

松下 脚本家と俳優は嫌い合っているわけでは全くないのですが、確かにあまり密ではないかもしれないですね。「いちばんすきな花」のオファーをいただいた時、めちゃくちゃうれしかったんです。僕、めちゃくちゃミーハーなんですよ(笑)。

生方 ミーハーなんですか?

松下 はい……(笑)。役者をやり始めた21歳の頃から、「月9の主演やりたいです」と平気で口にしていたタイプです。

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古田真梨子

古田真梨子

AERA記者。朝日新聞社入社後、福島→横浜→東京社会部→週刊朝日編集部を経て現職。 途中、休職して南インド・ベンガル―ルに渡り、家族とともに3年半を過ごしました。 京都出身。中高保健体育教員免許。2児の子育て中。

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