
熱気に満ちたプロ野球の2023年シーズンが幕を閉じた。今季も多くの歓喜が生まれた中、充実のシーズンを過ごした選手がいた一方で、不振に喘ぎ、期待を大きく下回る成績に留まった選手たちも多くいる。実績のある選手、年俸の高い選手ほど、その風当たりは強くなる傾向にある“残念だった”ナインを、セ・パ両リーグ別に選出したい。今回はパ・リーグ編。
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<投手>
■田中将大(楽天)
今季も期待値以下の成績に終わった。NPB復帰3シーズン目。過去2年間(2021年:4勝9敗、防御率3.01、2022年:9勝12敗、防御率3.31)からの“復権”を誓って開幕白星スタートを切った。だが、その後は不安定なピッチングで24試合に先発して7勝を挙げるも、3年連続負け越しとなる11敗。5失点以上が8試合あり、防御率4.91はMLB時代を含めてプロ17年間で自己ワーストの数字となった。昨オフの契約更改では推定年俸9億円から4億7500万円へと大幅ダウンとなったが、今オフでもダウンは必至だ。今月で35歳となったが、過去のレジェンドたちを振り返れば、まだまだ働ける年齢。まずは残り3勝となっている日米通算200勝を達成し、再びチームを日本一に導くピッチングを期待したい。
<捕手>
■伏見寅威(日本ハム)
思い描いたようなシーズンではなかった。強肩と巧みなリード、昨年の日本シリーズで4度もスタメンマスクを被った経験を期待され、FA移籍で地元帰還を果たした。結果的にチーム内の捕手陣最多の89試合(スタメン74試合)に出場したが、打率.201、3本塁打、12打点と打撃低迷。もちろんメインの仕事である「守備」で貢献できれば文句はないが、自身がマスクを被った際の投手陣の防御率3.23は、マルティネス(29試合、防御率3.06)、清水優心(14試合、防御率3.04)、古川裕大(11試合、防御率2.64)を下回るもの。そして盗塁阻止率.151は12球団の主軸捕手の中でワーストの数字となった。投手陣の特徴を掴んだ上で臨む来季は“違い”を見せたい。