かつては「育成のソフトバンク」だったが、近年は補強に積極的だ。昨オフはFAで近藤健介、嶺井博希を獲得。ロベルト・オスナ、有原航平も加入した。個々の選手たちは期待に応えるパフォーマンスを見せたが、リーグ3連覇を飾ったオリックスに15.5ゲームの大差をつけられた。投打で生え抜きの若手たちが伸び悩み、チーム力が低下しているように感じる。

 山川の獲得に乗り出すことが報じられ、ソフトバンクファンから辛辣な意見が目立つ。SNS上では「西武から公式戦出場停止の処分を受けている選手ですよ? もちろん処分は解除する時が来るけど、FA移籍は早すぎるでしょ。強ければ何でもいいのでしょうか。素直に応援できない」、「黄金時代からすっかり変わったね。小久保監督の掲げる美しい野球にふさわしい選手か?」などのコメントが。

 外部からの大型補強に頼ったチーム作りは即効性があるが、強さが持続したケースが少ない。巨人が90年代に落合博満、広澤克己、清原和博、江藤智と他球団の4番を次々にFAで補強したが、リーグ連覇できなかった。

 ソフトバンクは山川に加え、FA権を行使したオリックス・山崎福也の争奪戦にも参戦する可能性が高い。4年ぶりのV奪回へ、積極果敢な補強策は吉と出るか――。

(今川秀悟)