日本でのプレーを希望するかは微妙だが、もしそうなれば戦力になりそうなのがピーターズ(ヤクルト)だ。今年は開幕から先発ローテーション入りを果たすと、シーズン終盤に下半身のコンディション不良で離脱したものの、18試合に登板して6勝5敗、防御率3.22という成績を残した。シーズン最終登板となった9月2日の阪神戦は3回途中で降板となったものの、それ以外の17試合は全て5イニング以上を投げており、しっかり試合を作ることができるのが長所だ。これだけの成績を残しながらヤクルトが早々に自由契約を発表したのはコンディションの問題か、本人の希望という点もありそうだが、NPBの他球団への移籍も選択肢となるようであれば、獲得に乗り出す球団も出てくるだろう。

 パ・リーグの投手で意外に早く見切られたという印象が強いのがクリスキー(西武)だ。昨年はDeNAで18試合の登板に終わり1年で退団。今年はメジャー復帰を果たしていたが、シーズン途中に再び来日して西武に入団すると、シーズン終盤は抑えも任されて7セーブ、防御率1.93とまずまずの成績を残した。球種は少ないがスプリットは空振りを奪えるボールで、ストレートもコンスタントに150キロ台をマークするスピードがある。セ・パ両リーグを経験したこともプラスであり、リリーフが苦しい球団にとっては面白い存在になりそうだ。

 新外国人選手との交渉次第では今後さらに自由契約となる選手が増えることも十分に考えられる。冒頭で触れたポランコのように移籍をきっかけにブレイクする選手もいるだけに、今後の動向にもぜひ注目してもらいたい。(文・西尾典文)

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。
 

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