小松香里
なかなか食べ終わらないチャンビンを前に、常にメンバーを包み込むリーダー・バンチャンは心底楽しそうだ。だが、他の6人はあえて冷たい視線を送っている。チャンビンが「判断ミスでした」と反省する流れは、コントさながらだった。こんな笑い満載のMCと、ヘヴィでキレのあるパフォーマンスのギャップも、Stray Kidsにハマる人が続出する要因のひとつだろう。
ライブのMCはほぼ日本語で行われ、日本語で歌う曲が多く披露された。
スンミンが「遊園地にはワンデーパス、STAYの心に僕は顔パス、次の曲はSocial Pathです」と照れながら紹介した後に披露した「Social Path（feat．LiSA）」は、Jロック／Jポップのテイストが色濃い楽曲だ。最初から最後までオーディエンスが大合唱し、8人はその光景に満足げな表情を浮かべていた。
バンチャンは「僕たちが歩いてきた道を歌詞で表現しました。僕自身の経験を特にもとにしてますが、たくさんの人たちが共感できるよう書きました。僕たちはSTAYの一番の理解者でいたい」と話した。
リノは、この曲を収録したJAPAN 1stEPがミリオンヒットとなったことを報告した。Kポップボーイズグループとして日本デビュー後史上最速でのミリオン認定を達成したことになる。バンチャンが「乾杯コールをしましょう」と言い、お祝いムードがあふれた。
カラフルなステージ
ヒョンジンが名残惜しそうに泣き真似をして、ライブが最後のブロックに突入することを示した。
ダンサーが登場し、重厚なバンドサウンドが奏でられる。4大ドームツアー後にリリースされるMini Album「樂−STAR」収録の「MEGAVERSE」だ。小気味よくリズムを刻みながら凄みをきかせるフィリックスの低音ラップに続き、バンチャンがラップで勝利を宣言。スンミンがダンサーに抱きかかえられ宙を舞い、フィリックスが何度も「Welcome to the Stray Kids HOT MEGAVERSE」と口にして、独創的な世界観を高めた。矢継ぎ早に繰り出されるラップに加え、スンミンとアイエンの美しいツインボーカルの絡み合いと、Stray Kidsの持ち味を生かした見どころがスピーディーに展開されていく。
稲垣えみ子
竹増貞信
武内陶子
