キレのあるド迫力のステージングとユーモラスでフレンドリーなMCのギャップも魅力だ(撮影/田中聖太郎写真事務所提供)

 本編ラスト曲となった「Hall of Fame」も、コズミックなトラックの上で目まぐるしくマイクリレーが展開され、グループのカラフルさが際立つ。

 ステージの最後には、星形のセットに8人が美しいフォーメーションを組んで佇んだ。

笑顔で帰ってほしい

 アンコールでは車形のトロッコ2台に4人ずつ分かれて乗り込み、アリーナエリアを回りながら「Astronaut」と「Star Lost」を披露した。

 オーディエンスにできる限り近づいた後、バンチャンがうれしそうに「STAYの皆さん、めっちゃきれいですね!」と寄り添うように呼びかけた。リノの「STAYがこの会場に来るまでどれだけ大変だったか知ってます。笑顔で帰ってほしいから全力で踊りました」という発言を皮切りに、8人それぞれが長いメッセージをオーディエンスに伝えた。その言葉からは、ファンへの愛と感謝、真摯さと謙虚さとユーモア、そして「成長して必ず戻ってくる」という決意までが伝わってきた。

「この特別な瞬間を撮りましょう」。そうバンチャンが言うと、ヴィジョンに2019年の日本での単独ライブや、パンデミックに襲われ来日ができなかった時期、約2年ぶりの来日公演の映像などが流れた。知らされていなかったのか、メンバーが驚いていると、客席に「STAYの光になってくれてありがとう」というスローガンが広がった。感極まるメンバーたち。

 バンチャンは「こんなに大きな愛をいただいてもいいんですか?」と問いかけ、フィリックスは「STAYのおかげで本当の愛を知れました」と話した。急遽行われたダブルアンコール曲「MIROH」のパフォーマンスが終わるまで、8人は何度も観客たちに再会を誓った。(ライター・小松香里)

AERA 2023年11月20日号

[AERA最新号はこちら]