ただモノを置くだけのスペースになっていたカウンターとキッチン/ビフォー

「この間、子どもたちと散らかっていた頃の写真を見返していたら、『え!こんなところで生活していたの?』と驚いていましたよ(笑)」

 以前から、洋子さんは家に誰かを呼ぶことが好きでした。でも、友だちを呼ぶためには事前に片づけの時間をしっかり確保。当日は掃除や料理に駆け回り、友だちを迎え入れる頃には自分はヘトヘトに。料理が作り終わらず、友だちが来てくれてもしばらくキッチンにこもることもありました。

 それが今では、片づけに費やす時間と手間がなくなり、手軽に掃除をするだけ。友だちが来る前に料理の準備が整い、スタートと同時にワイワイと楽しめるようになったそう。

「片づけ終わってからやったホームパーティーでは、はじめの乾杯から最後までみんなと一緒に楽しめました。こんな風にパーティーができたのは初めて!」

 家を人が集まる空間にしたいという洋子さん。目標はもう実現できたようですね。

 洋子さんは現在、主に家で仕事をしています。決まった就業時間はなく、午前中に仕事を終えたら、午後は自分のための時間に充てています。本を読んだり、録画していたドラマを見たり、コーヒーを入れたり。時間と気持ちの余裕なく働いていた会社員時代から、大きく変わりました。

「以前は家にいると、いろんなところが目について『片づけなきゃ』って思っていたんですけど、今はゆっくりとくつろげます。本当に片づけてよかったです」

今では飲み終わったコップを家族がすぐに片づけるように/アフター

 子どもたちにも「片づけを習慣化して、自分の大切なことに時間を費やす」ということを伝えたいと話してくれました。洋子さん自身がいいお手本になっているので、きっと子どもたちも身につけてくれることでしょう。

 洋子さんは今までずっと「片づけないと」と思いつつもできなかったのに、仕事を辞めて新しい仕事を始めるという大変なときに、思い切って片づけられました。人によっては、「自分ではそんな時期に片づけまでムリ!」という方もいるでしょう。

 でも、洋子さんは「あのタイミングだからできた」と言います。「今だ」というタイミングを逃さずに行動できれば、誰でも洋子さんのように変われると、私は思います。片づけにムダな時間を使うことをやめて、1日でも早く自分らしく生きていけるように、これからも散らかった家に悩む人をサポートしていこうと思いました。

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西崎彩智

西崎彩智

西崎彩智(にしざき・さち)/1967年生まれ。お片づけ習慣化コンサルタント、Homeport 代表取締役。片づけ・自分の人生・家族間コミュニケーションを軸に、ママたちが自分らしくご機嫌な毎日を送るための「家庭力アッププロジェクト?」や、子どもたちが片づけを通して”生きる力”を養える「親子deお片づけ」を主宰。NHKカルチャー講師。「片づけを教育に」と学校、塾等で講演・授業を展開中。テレビ、ラジオ出演ほか、メディア掲載多数。公式サイトはこちら

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