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 人工知能が人間の知能を超える「シンギュラリティ(特異点)」が2045年あたりに訪れる。1950年代から人工知能の研究は始まっていたが、近年人間の脳をまねた“ニューラルネットワーク”が普及したことで急速に発展した。“ニューラルネットワーク“は、「シナプスを通したニューロン同士の電気信号のやりとり」と同じ仕組みで、学習を行う。すでに顔認証やGoogle翻訳など、さまざまな分野で実用化されている。保険会社でクオンツ(数学や人工知能を株式投資などに使ってお金をかせぐ仕事)を担当している冨島佑允氏の新著『東大・京大生が基礎として学ぶ 世界を変えたすごい数式』(朝日新聞出版)には、人工知能が人間の言語を扱えるようになるまでの技術者による創意工夫が記されている。一部を抜粋、再編集し、紹介する。

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コンピューターは言葉の“ 意味” を理解できるか?

 人間の言葉(=自然言語)をコンピューターが扱えるようになったというのは革命的な出来事でしたが、その裏では、技術者によるいろいろな創意工夫がなされています。

 人間とコンピューターの最大のちがいのひとつとして、コンピューターは数字しか扱えないという点があります。色も映像も音声も、コンピューターの中では数字に置き換えられて処理されています。

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単語の意味を数字で表現する