高尾美穂さん
写真:東川哲也(朝日新聞出版写真映像部)

 30歳でも、35歳でも、40歳でも、妊娠したいと思ってトライしたらすんなりと妊娠できました、というのであればまったく問題はありません。自然な流れで妊娠できるのが、ある意味では一番ハッピーなストーリーですので、良かったとなるわけです。ところが、産婦人科医としてさまざまな女性たちと接してきて思うのは、働き始めて、結婚して、いざ子どもをつくろうとすると、なかなか妊娠できないという感覚をもつ方が大勢いるという事実です。

 思春期の子どもたちに対して大人は、セックスを経験することで早くに妊娠してしまうことを怖れますが、私はむしろ、妊娠できる可能性のほうを、人生のタイムラインのずっと手前にいる若い女性たちにも知っておいてもらいたいと思うのです。

 じゃあ、高校生や大学生といった、まだ妊娠を希望していない年代の方があんなにたくさん妊娠して悩みながら外来にきてくれるのはなぜだろうと思うわけですが、性交渉の回数が多いことも理由の一つに挙げられると思います。結婚していないカップルよりも社会人同士の既婚のカップルのほうが性交渉の頻度が低いし、そもそも性交渉をもちたいと思えるような気持ちと時間の余裕がないことも事実でしょう。

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自然妊娠のためのポイントは?