結婚後も仕事を続ける女性が増え、現在は7割が共働き世帯。「寿退社」という言葉が消える一方、「妊活」という言葉を頻繁に目にするようになった。仕事が落ち着き、いざ子どもを望んだとしても、なかなかできないという経験がある女性は多い。日本では、思春期の子どもたちが妊娠の仕組みや自然妊娠のための取り組みを学ぶ機会がほぼなく、“これは日本社会における大きな問題である”と、産婦人科医の高尾美穂氏は警鐘を鳴らす。同氏の新著『娘と話す、からだ・こころ・性のこと』(朝日新聞出版)から一部を抜粋、再編集し、思春期の子どもたちに知ってもらいたい自然妊娠の基礎知識について紹介する。
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妊娠成立にまつわる、誰も教えてくれない三つのこと
かつては「寿退社」なんていう言葉がありましたが、今ではほとんど聞くことがなくなりました。結婚しても仕事を続ける女性が増えて、現在は共働き世帯が7割を占めています。
「寿退社」という言葉が消える一方で、ひんぱんに目にするようになったのが「妊活」です。妊活とは、妊娠を望む男女がおこなうさまざまな行動をひっくるめて示す言葉ですが、これだけ広く使われるようになった背景には、現代の女性たちの「妊娠できるかどうか不安」という気持ちがあるように思います。