Q2 どんなときに緊急訪問をお願いすればいいですか?

A 苦しそうなときやぐったりしているとき

 いつもと様子が違うときは、在宅医の次の訪問日を待たずに対応をお願いしましょう。例えば、急に高熱が出た、呼吸が荒い、ぐったりしている、意識がもうろうとしている、痛みが強い、などの場合です。

 虚弱な高齢者の場合、感染症が起きていても、はっきりとした症状が表れないこともあります。なんとなく元気がないと思っていたら肺炎だったということもあります。表情や呼吸の様子を把握し、なんとなくおかしいと思ったときも相談しましょう。

 また、尻もちをついたり、転んだりして動けないときも、まずは在宅医に相談して対応について指示を受けるようにします。

 現在の在宅医療の仕組みでは、連絡はまず訪問看護ステーションに取ります。大部分の訪問看護ステーションは24時間365日対応しています。医師の往診が必要と判断されれば、在宅医に連絡してくれます。

 看取り医療の場合などは、病態の変化をていねいに教えてもらえます。どんな場合に連絡をしたらよいか、確認しておきましょう。

Q3 慌てて救急車を呼んでしまうのはなぜいけないのでしょうか?

A 心肺蘇生で静かな看取りが妨げられる

 救急車を呼ぶことは、「命を助けて」とお願いすることを意味します。救急要請されると、救急隊や搬送先の病院の医師は、死を目前にした人に対しても、カウンターショック(電気的除細動)や心臓マッサージをおこなわなければなりません。その結果、心臓が再び動き始めることがあるかもしれませんが、命が助かるわけではなく、亡くなるまでの時間が引き延ばされるということです。

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検視になると警察が呼ばれ、穏やかな看取りとは程遠いものに