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 在宅医療を受けている人を支える家族の状況や思い、悩みはさまざまです。遠くで一人暮らしをしていて心配、肺炎になっても在宅医療を続けられるのか、自宅での看取りに不安を感じる…など、家族の疑問について在宅医に聞きました。好評発売中の週刊朝日ムック『さいごまで自宅で診てくれるいいお医者さん2024年版 在宅医療ガイド』から抜粋して、前編・後編にわけてお届けします。

【図版】遠距離介護で在宅医療を成功させる4つの条件はこちら

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【答えてくれた医師】

太田秀樹医師●おおた・ひでき

日本在宅ケアアライアンス事務局長

医療法人アスムス理事長

日本在宅ケアアライアンス事務局長
医療法人アスムス理事長
太田秀樹医師

Q1 高齢親が一人暮らしをしています。子ども世帯が遠距離だと、在宅医療は難しいですか?

A 親と子の覚悟、地域のサポート態勢が重要

 在宅医療で一人暮らしをするという本人の覚悟が大前提になります。そのうえで、心身の状態に応じた医療・介護サービスや地域のサポートを受けられれば、一人暮らしも可能でしょう。移動に車いすが必要な人、軽度の認知症がある人が一人で生活する例もあります。ほとんどベッド上で過ごす人でも、自費サービスも使って介護態勢を作れば可能かもしれません。

 また、子ども世帯に独居の親を在宅で支えるという覚悟があることも重要です。兄弟姉妹がいる場合、それぞれが在宅医の治療方針に違う意見を言ってくる状況では、在宅医療は成り立ちません。意思統一を図り窓口となるキーパーソンを決める必要があります。

 在宅医療は、できれば人生の最期まで継続すべきです。本人や家族の在宅医療に対する認識や理解、地域のケアリソースや住民の協力の状況によっては、引き受けられないと判断されることもあります。

週刊朝日ムック『さいごまで自宅で診てくれるいいお医者さん2024年版 在宅医療ガイド』より
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