盛山正仁文部科学相は10月12日の記者会見で、旧統一協会の行為が「組織性、悪質性、継続性」の3つの要件を満たすと主張した。その上で、解散命令について「長期間に渡って多額の損害を生じさせ、多くの人の生活の平穏を害した。家族関係が悪化するなど精神的な損害も相当甚大だ」と語った。
今日の会見で田中会長は「当法人としては、解散命令請求というこのたびの文部科学省の措置に関しましては、信教の自由、法の支配の観点から到底受け入れることはできません」と主張した。
「教団が無理な献金などを信者らに指示したのでは」と記者から問われると、田中会長は「組織的にそういう問題を引き起こす体制にはなっているとは思わない」と否定した。
紀藤弁護士が言う。
「結局、今日の会見は文部科学省の見解について反論を述べたにすぎないものだった。実際に返金を求めている人たちが浮かばれない。現役の信者の中でも不信感を抱いた人は少なくないと思う」
田中会長は会見で返金については「個別の事情を考慮しながら話し合いをさせていただき、双方の合意に基づいて返金している」とした。
2022年7月に起きた安倍元首相の銃撃事件以降、合計664件の返金要請に応じたと説明。その額は44億円にも上るという。その上で、元信者らの補償の原資として、最大で100億円を国に預ける方針を明らかにした。海外への資産移転については「解散命令の裁判が確定するまで、その考えはない」と説明した。